祐雫の初恋
「経済界のことがよく分からない今のぼくが申し上げられることは、
おばあさまも
母上さまも
ご自分の信じる方をお選びになられたと言うことだけです。
祐雫も同じです。
どちらかと申しますと
祐雫の性格は、父上さま似ですから、
父上さまが一番よくご承知だと思います。
それに嵩愿さまは、未知の魅力を持たれておられますので、
ぼくは、お近づきになりたいと思っています」
優祐は、はきはきと意見を述べた。
光祐は、優祐の意見にひとつひとつ頷いて、
優祐の成長を感じていた。
中学から都の学校に出さずとも、
優祐は、甘えることなく、
しっかりと帝王学を学んでいるように思えた。