夢はひそかに…できないっ *草食王子にkiss*


「じゃあ僕は子羊のソテーで。……花壁さんは?」

「んぇ!?あ……あっと……」


食堂という名の高級レストランに来たあたしたち。

王子様は普通に羊を注文したけど……。

なに、このメニュー!?

見たことないやつばっかり……。

鴨肉のなんとか、トリュフのどーたら、白身魚のほにゃらら……。

知らないカタカナだらけで、頭が……。

この店、ラーメンとか唐揚げとかオムライスとか、そういうものはないの!?


「クスッ……すみません。彼女にも同じものを」

「……!」


「かしこまりました」、と店員さんがお店の奥に入っていく。

あ……あたし今、助けてもらった……?


「クスクス、大丈夫、子羊は美味しいよ」


あどけない笑顔で言う星条くん。

あたしが子羊とかなんとかとか食べたことないの、わかったんだ……。

……優しいんだ。


「これから、敬語はやめよう。一緒に暮らすんだし」

「うっ、うん」

「じゃ、よろしくね花壁さん」


思わず顔が赤くなる……。

は、恥ずかしすぎる。

星条くんは、全然緊張してないみたいだけど……。
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