夢はひそかに…できないっ *草食王子にkiss*
「……そんなに、気にいったの?」
「むぐむぐ……ふ?」
「プハッ……いいよ、気にしないで」
なな、なんか笑われた?
あたしは今、子羊さんのお肉を頬張っている。
……美味しいの、すごく!
柔らかくって、じゅーしーで、噛むとじゅわっと肉汁が……。
ふと顔を上げると、星条くんがじぃーっとあたしのことを見つめていた。
へ……?
もしかして……。
あたしのことを……。
ううんっ、もう妄想はしない、しないの!
ぺちぺちと頬を叩いて、妄想をストップさせる。
それを見てまた、笑う星条くん。
「アハハッ、なんか花壁さんってカメレオンみたいだね」
「か、かめれおん……」
プシュウウウと妄想が消えていく。
カメレオンを見る目であたしのこと見てたのか……。
「うん、カメレオン。だってすぐ表情変わるからさ……面白いね」
「……!」
面白いって……思ってくれてたんだ。
さっきの青い顔から素早く赤い顔に変わる。
……それこそカメレオンみたいに。