夢はひそかに…できないっ *草食王子にkiss*
「失礼しましたー」
理事長室から出て、あの号外新聞だらけの廊下を歩く。
休憩時間だから廊下に出ている生徒も多く、あたしを見てひそひそ話をしている人ばかりだ。
さすがにこれはいじめられているようで、胸がズキンと痛む。
こんなときに瑞葉がいれば……。
ドンッ
「あ〜ら、ごめんあそばせ〜っ」
お嬢っぽい女子が、あたしにわざとらしくぶつかる。
それを機に、どんどん肩を押されていく。
1-1が、どんどん離れていく。
気付けば罵声も加わっていた。
「あんたみたいな普通の女に凛夜くんは釣り合わないのよ」
「凛夜くんが振り向いてくれると思ってるの?」
「勘違いしちゃって、可哀想な子」
たかが告白したくらいで、ここまでやるなんて。
あたし……。
悲劇のヒロイン、ってやつ?