夢はひそかに…できないっ *草食王子にkiss*
そこに立っていたのは、肩を上下させた星条くんだった。
普段きっちりしている髪の毛が、乱れてしまっている。
「お、王子様登場〜。じゃあたしたちはここで」
「あ、ちょ、瑞葉……!」
ガララ……パタン
静かな保健室に、星条くんの荒い息が響く。
「ごめんね花壁さん、母親に呼び出されてたから気づかなくて……」
星条くんまで呼び出されたんだ、恐ろしい理事長さん……。
「いいから、あたし全然……」
「花壁さん」
いつもは優しい星条くんの顔が、険しい。
星条くんはベッドの横に立って手を握りしめて言った。
「花壁さん……同居は、やめよう」