夢はひそかに…できないっ *草食王子にkiss*
そして僕はたまらず、保健室を飛び出した。
自分でも思う。
本当に僕は意気地無しだ……。
「僕が君を守る。だから一緒にいて」
そう、言えばよかったものを。
気づけば僕は、彼女に夢中だった。
まだ少しの間しかいないのに、長年一緒にいるかのように心が落ち着いた。
彼女を見ていると、飽きなかった。
いつまでも、彼女を見ていたい。
心からそう思った。
足を止めて、ゼエゼエと息をする。
「……くっ」
走り疲れなのか何なのか、喉元に熱いものがこみあげた。
「うわぁぁぁぁ……」
そして膝をついて崩れ落ち、生まれてはじめて声を出して泣いた。
子どものように、ずっと泣きわめいていた。