やつ

やつ

am 6:00

いつもの起床時間だ。

耳の横で鳴り響くアラームを止めると、眠たい目を擦りながらテレビのある部屋へ向かった。
テレビをつけ、八チャンネルに設定する。

普段と何も変わらない、いつも通りの朝。
繰り返される毎日。
僕の日常。

五分くらいテレビを見た後、恐る恐るカーテンを開き、ベランダにある『モノ』を見た。

シゲルは絶望した。
昨日のことは、夢ではなかった。

ベランダには、直径三十センチくらいの大きな植木ばちがある。

植木ばちからは艶のある金色のツルの塊がボール状になって顔を出していた。
遠くからはそう見える。