定義はいらない
「いや、ホント全然衰えないんですよ。
 だから同級生とかが『衰えた』とか言うと逆にびっくりしますね。」

「松木、お前さぁ~。」

佐々山先生の苦笑い。

まどかも苦笑い。

私はこういう自分に自信のある男は好き。

ついついからかいたくなっちゃう。

私のSっ気が表出される瞬間。

ホントはそんな私をねじ伏せるくらいの強い男を求めているんだけど。

「角度はともかく絶対硬度は衰えると思いますよ。」

「そうかなぁ~。」

納得いかないように松木先生は顔をしかめる。


私は太朗ちゃんにメールする。

私をねじ伏せてくれる男。


「明日、来ます?」



料理の半分は松木先生が食べていた。

「俺、めちゃくちゃ食べるんですよ。」

佐々山先生も私も飲むのであまり食べない。

まどかは甘いもの専門。

「どんどん食べていいですよ。」

そう言ってまどかがお皿に大盛りに松木先生のために取り分ける。

「早川さん、優しいなぁ~。」

松木先生はちらっと佐々山先生を気にする。

今日の私の立場ってなんなんだろ。

やりきれなくなってトイレに立った。
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