定義はいらない
「今日もしようよ。」

「酔ってるでしょ?」

偉そうにめんどくさそうに私をあしらう。

「そんなに酔ってないけど。」

「いやいや酔ってるから。」

ネオン街の道端で

なんで女から男を誘って邪険にされなきゃいけないんだ。

悔しくて馬鹿らしくて

私はタクシーに乗った。

「もういいです。」

プイッと横を向いて視線も合わせずにドアが閉まる。

そのままタクシーの運転手に行き先を告げて

後ろも振り返らずに私は家に帰った。


情けなくて家に帰った瞬間に

後悔して泣いた。
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