定義はいらない
それから半年間、私と太朗先生との間には何もなかった。
仕事場ではもちろん普通に話をしたし
その内容は時折、下ネタも含まれていた。
けれどそれは職場の関係から逸脱するものではなかったし
それは太朗先生のキャラとして病棟では定着しているもので
決して私だけに対してではなかった。
半年間の間に太朗先生は再婚した。
正確に言えば五月頃。
つまり、あの晩から一ヶ月足らずということになる。
私は心底安心した。
あの晩に一歩を踏み出さなくて本当に良かったとそう思った。
そしてほんの少しだけ残念に思った。
やはり、太朗先生は雲上人だったのだ。
あの人が私に本気になるわけない。
そう思った。
仕事場ではもちろん普通に話をしたし
その内容は時折、下ネタも含まれていた。
けれどそれは職場の関係から逸脱するものではなかったし
それは太朗先生のキャラとして病棟では定着しているもので
決して私だけに対してではなかった。
半年間の間に太朗先生は再婚した。
正確に言えば五月頃。
つまり、あの晩から一ヶ月足らずということになる。
私は心底安心した。
あの晩に一歩を踏み出さなくて本当に良かったとそう思った。
そしてほんの少しだけ残念に思った。
やはり、太朗先生は雲上人だったのだ。
あの人が私に本気になるわけない。
そう思った。