定義はいらない

彼氏

私と亮ちゃんの出会いは友達の結婚式だった。

職場の同期の結婚式

私たち同期の中で初めて既婚者が生まれた。


その日、横浜のホテルに集まった同期たちは

みんなとてもきれいだった。


中でもやっぱり花嫁の百合は一番きれいで

「だから花嫁になれるのか」と納得した。


花嫁だからきれいなのか

きれいだから花嫁になれるのか


順番は分からないけれど。



「別にそんなに派手な格好して行かないよ」

とあれほど言っていたのに

同期たちはみんなばっちりヘアもメイクもプロにしてもらっていて

私だけその言葉を信じて普段着に毛の生えたようで

恥ずかしい思いをした。

悔し紛れに「嘘つき」と言ってみたものの

その言葉を言っても私のドレスが魔法で変わるわけないし

このままの格好で行くしかないと諦めた。

「杏ちゃん可愛いよ」


これだから女子の言葉は信用できない
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