定義はいらない
結婚式といっても

私たちが出席したのは二次会だった。

式場での式は二人の実家がある兵庫県ですでにやっていて

二人の職場がある関東でも会を開きたいという二人の心意気で

場所を変えての三次会が横浜で開かれた。


花嫁たっての

「同期に芸をやって欲しい」という希望を叶えるため

百合を含めた六人の同期で集まって

一週間前から練習を重ねて今日に臨んだ。


会場はホテルの広間。

キラキラした照明とキラキラしたドレスたち。


賑やかな話し声と交わされる視線で場はすでに色めき立っていた。


食事の並んだテーブルが立っていて

お酒を飲んでいる先客たちがそこら中にいた。

スーツ姿が多く、

新郎の大学時代の友達や職場の人たちがほとんどだった。


その点、女子の人数は少なめだ。

人数比で言えば8:2くらい。


新婦の友達が少ないというよりは

新郎の友達が多すぎた。


新郎は有名大学の野球部に所属していたし

現在も有名企業のサラリーマン。

ついでに言えばイケメンで、愛妻家。

点数をつけるなら100点満点の男だった。


どうやったらこんな男を捕まえられるのだろうと思う。

高校時代からの付き合いの二人は

計八年の交際期間を経て目出度く結婚となった。


もう私には絶対得られない幸せ。


今から八年間誰かと付き合うなんて考えられない。
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