定義はいらない
彼女

誘惑

「確信犯」

まさにこの言葉が私に相応しい。

分かっていた。

彼が私に興味があることは。

だから、私は彼にメールしたんだ。

でも、まさかこんなことになるなんて思わなかった。

職場の上司と、しかも不倫なんて。

この私が。この私が。

「不倫なんてさ、お古と一緒じゃん。私は新品の服じゃなきゃ嫌だよ。」

と豪語していて不倫の恋に悩む友達をせせら笑っていたのに。

気付けば、私はもう深い森の中。

彼がいないと生きていけないくらい、

私は彼が好き。


40歳の彼は私の働いている病棟のトップ３に入る医師。

少し禿げてきた頭髪も、ぽっちゃりとした体格も、脂ののった肌も

全て素敵。


なぜ、私と彼がこんな関係になったのか。

理由は

「孤独」


たぶん。

それ以外には思い当たらない。






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表紙・目次

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