定義はいらない
私はその時、元彼と別れて半年経っていて

特に彼氏を探そうと躍起になってもいなかったけれど

そろそろ新しい恋をしてもいいかな?くらいに

前の恋の傷は癒えていた。


一時は結婚も考えていた彼で

別れた当時は辛く

もう二度と恋なんてできないと思っていたけれど

半年経つと忘れた。

「忘れた」は言い過ぎかもしれない。

ときどき胸は痛んだけれど、もう涙は出なくなっていた。



結婚式は滞りなくスケジュール通りに進んだ。


新郎と新婦の挨拶

そして二人の生い立ちや馴れ初め。

初めての旅行などなどの写真。

どれも他人にはさほど興味のない内容だ。

それでも周りの人たちは

「キャー」とか「可愛い」とか黄色い声を上げている。

私にはついていけなかった。


そして出し物。

私たちは、いきものがかりの「じょいふる」を踊ることになっていた。

ピンクのナース服を着て。
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