定義はいらない
その後、新郎の上司とかいう人と

名前を交換して私のビンゴの紙は埋まった。


直後に

「皆さん、そろそろお時間です。ビンゴ大会を始めます。」



みんな元いた場所に戻る。

今まで見かけなかった沙織も私の隣に戻って来た。


「沙織、どこに行ってたの?探したよ。」

非難を交えて言っても

「え?あっちに良さそうな男の子がいたからさ。」

全然気付かないらしい。


沙織のドレスから胸の谷間が露わになっている。

肉付きのいい身体とキレイな黒い長い髪。


これだから沙織はモテるんだろうなって思う。


私は、ボブの髪に控えめにカチューシャをしている。

そして普段使いもできるワンピース。

唯一自慢できるのはキラキラしたシルバーの靴。

まるでオズの魔法使いに出てくる魔法の靴みたい。

おシャレは靴からだからと思ってこれだけ新調した。

こんなんじゃダメだ。

もし次に結婚式にお呼ばれすることがあったら

もうちょっと露出を多くしなきゃ。



「では、今から新郎新婦が本日ご来場の皆さんの名前を
 ランダムに呼んでいきます。呼ばれた名前にチェックをしてください。
 チェックが縦・横・ななめのどこかで揃った人は
 ビンゴと大きい声を上げて手を挙げてください。
 では、いきます。」
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