定義はいらない
春頃に一度誘われた。
新人歓迎会がつまらなくて
二人で後ろの方でビールをちびちびすすっていて
「つまらないな。」
「つまらないですね。」
「抜け出す?」
「抜け出しますか?」
周りの新人医師たちは偉い先生にゴマをすっていて
新人の看護師たちはドギマギと
まるで借りてきたネコのように縮こまっていた。
私は中堅看護師で新人歓迎会ももう五回目。
別に自分が歓迎されているわけじゃないし、
イケメン新人医師の一人もいやしないと
歓迎する相手もいないのでお酒に走っているところだった。
私の働いているような大きい病院では
普段の業務では偉い医師とは関わらない。
ネズミのように研修医が使いっ走りをしていて
私たちはその研修医に
「先生、この指示おかしいですよ~」
とか
「先生、これやっておいて下さぁ~い」
とか
半ば命令口調で話すくらい。
だからいくら中堅の私でも
太朗先生は雲の上の存在だった。
雲上人が私を誘っている。
それだけで胸がドキドキして
鼓動の音で周りの話し声が小さく聞こえた。
新人歓迎会がつまらなくて
二人で後ろの方でビールをちびちびすすっていて
「つまらないな。」
「つまらないですね。」
「抜け出す?」
「抜け出しますか?」
周りの新人医師たちは偉い先生にゴマをすっていて
新人の看護師たちはドギマギと
まるで借りてきたネコのように縮こまっていた。
私は中堅看護師で新人歓迎会ももう五回目。
別に自分が歓迎されているわけじゃないし、
イケメン新人医師の一人もいやしないと
歓迎する相手もいないのでお酒に走っているところだった。
私の働いているような大きい病院では
普段の業務では偉い医師とは関わらない。
ネズミのように研修医が使いっ走りをしていて
私たちはその研修医に
「先生、この指示おかしいですよ~」
とか
「先生、これやっておいて下さぁ~い」
とか
半ば命令口調で話すくらい。
だからいくら中堅の私でも
太朗先生は雲の上の存在だった。
雲上人が私を誘っている。
それだけで胸がドキドキして
鼓動の音で周りの話し声が小さく聞こえた。