定義はいらない
遥への嫉妬と憎しみ、

太朗ちゃんへの激情で、

私は行き場を失くした。


もうこんなことをしていても仕方ないからと思い

ベッドに向かう頃には頭がガンガンして耳鳴りがした。


明日の職場に目を腫らして行くわけにはいかない。

太朗ちゃんに不細工な顔は見られたくない。


そう思って氷を目に当てる。

ベッドに横になると、さらに涙が溢れ出す。

今日1日分の涙はもう使い果たしたと思っていたのに、

どうやら涙の量はとめどないみたいだ。

人間の身体の70%は水分なのだから

それも仕方ないのかな。

いつか泣きすぎで干からびて死んでしまうかもしれない。

ワインばかり飲んでいるから

涙が赤色に変わるかも。


そう思ったら少し笑う。

笑いながらまた涙が出る。

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