シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
城での生活
翌朝、エミリーは小鳥の囀りで目が覚めた。
ラジオもテレビもない静かな朝は、小鳥の声が目覚ましになる。
エミリーは少しがっかりしている。
朝になっても状況は変わらず、自分のものではない部屋にいることに。
天蓋付きの大きめのベッド、2つもある大きなクローゼット。
小ぶりだが、ふかふかのクッション付きのソファにテーブル。
書棚には本が収まっているが、エミリーには全く読めない。
大きな窓の向こうにはテラスがあり、丸いテーブルと椅子のセットが置かれているのが見える。
部屋の中には浴室とトイレもあり、一言で言えば高級ホテルのスイートルームのようだ。
これから、ここがエミリー様の寝室だと昨夜案内されたばかりだ。
もしかして、これは妙に現実味を帯びた夢で、
朝起きたら自宅の部屋のベッドの中にいるかも・・・・?
なんて淡い期待は見事に打ち破られた。
―――やっぱり、この国でやっていくしかないのかしら・・・
ため息をつきながらベッドから降り、クローゼットの扉へ手をかけた。
2つあるうちの一方を開けると、色とりどりの布の列が見えた。
綺麗なドレスがたくさんかけられている。
パーティ用なのか、豪華な衣装ばかりで普段着らしきものがない。
「どうしよう・・・。こんな服を着ていたら一日中気を遣ってしまうわ」
色とりどりのドレスに目がチカチカしてくる。
エミリーは慌てて扉を閉めた。
「こっちは、何が入っているのかしら・・・」
少しは普段着ぽい服がないと困る。
もうひとつのクローゼットの扉を開けたエミリーはホッとした。
こっちには割と普段着っぽいシンプルな服が沢山入っている。
しばらく迷った末、その中でも一番シンプルなベージュのワンピースを選び、袖を通した。
ラジオもテレビもない静かな朝は、小鳥の声が目覚ましになる。
エミリーは少しがっかりしている。
朝になっても状況は変わらず、自分のものではない部屋にいることに。
天蓋付きの大きめのベッド、2つもある大きなクローゼット。
小ぶりだが、ふかふかのクッション付きのソファにテーブル。
書棚には本が収まっているが、エミリーには全く読めない。
大きな窓の向こうにはテラスがあり、丸いテーブルと椅子のセットが置かれているのが見える。
部屋の中には浴室とトイレもあり、一言で言えば高級ホテルのスイートルームのようだ。
これから、ここがエミリー様の寝室だと昨夜案内されたばかりだ。
もしかして、これは妙に現実味を帯びた夢で、
朝起きたら自宅の部屋のベッドの中にいるかも・・・・?
なんて淡い期待は見事に打ち破られた。
―――やっぱり、この国でやっていくしかないのかしら・・・
ため息をつきながらベッドから降り、クローゼットの扉へ手をかけた。
2つあるうちの一方を開けると、色とりどりの布の列が見えた。
綺麗なドレスがたくさんかけられている。
パーティ用なのか、豪華な衣装ばかりで普段着らしきものがない。
「どうしよう・・・。こんな服を着ていたら一日中気を遣ってしまうわ」
色とりどりのドレスに目がチカチカしてくる。
エミリーは慌てて扉を閉めた。
「こっちは、何が入っているのかしら・・・」
少しは普段着ぽい服がないと困る。
もうひとつのクローゼットの扉を開けたエミリーはホッとした。
こっちには割と普段着っぽいシンプルな服が沢山入っている。
しばらく迷った末、その中でも一番シンプルなベージュのワンピースを選び、袖を通した。