シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
エミリーはずっとテラスでエリックと話をしていた。
エリックの話はとても面白くて、時間を忘れて喋っていた。
ほんわりとしたあたたかいオーラがテラスに漂い、オーラに惹かれた小鳥が数羽庭に遊びに来ていた。
エリックも、話をしながらも癒されていて、居心地のいい空間から離れがたくなっていた。
「エリック、それ本当なの?信じられないわ」
「本当さ、日本のアニメが流行っていてさ。それに出てくるキャラクターの恰好を真似しているんだ。それがもうクオリティが高くてさ。面白いのなんの――――そうだ、画像撮ったんだっけ・・・ちょっと待ってて」
エリックは携帯を操作して、撮ってあった画像を出してエミリーに携帯を渡した。
画像には女の子が水色のかつらをかぶり、戦闘服のような、体にぴったりした服を着た姿が映っていた。
その隣にも似たような姿の子がいる。
よく見ると、周りにも何かの恰好を真似た人がたくさん映っていた。
エリックはエミリーの脇に立って肩に手をまわして、顔を寄せて一緒に携帯を覗き込んだ。
近付くとふんわりと漂ういい香り。
「これは、近くの大学でイベントがあってさ、そこに行った時に撮ったんだ。他の画像も見るか?・・・ほらこれ――――」
「エリック、この子可愛いわ。何て言うアニメの・・・!?」
急にエリックの腕が身体にまわってきて、すっぽりと覆われた。
徐々に腕が強く身体に絡みついていく。
耳元でエリックの切なげな吐息が聞こえてくる。
「エミリー、俺じゃ駄目なのか?今振られたことは分かっている。だが、もう一度だけチャンスをくれ。今の好きな奴のことは忘れなくていい。そのままでいいから、俺の傍にいて欲しい」
「エリック・・・あの、わたしね―――」
エリックの手が頬に当たり、くいっと上を向かされた。
手に持っていた携帯が、ゴトンと音を立ててテーブルの上に落ちた。
エリックの唇が近付いてくる。
それを阻止しようと手を顔の前にかざした。
その手を掴まれてしまい、頬に当てられた手が強くて顔をそむけることもできない。
「や・・・エリック、やめ―――」
「失礼する―――その手を離して頂こうか」
―――え・・・・?
エミリーは自分の耳を疑った。
頬に当てられていた手が離され、掴まれていた手が自由になり、身体を覆っていたエリックの体がグイッと引き剥がされて行く。
「全く、君は・・・困ったものだ。相変わらず、無防備極まりないな」
エリックの話はとても面白くて、時間を忘れて喋っていた。
ほんわりとしたあたたかいオーラがテラスに漂い、オーラに惹かれた小鳥が数羽庭に遊びに来ていた。
エリックも、話をしながらも癒されていて、居心地のいい空間から離れがたくなっていた。
「エリック、それ本当なの?信じられないわ」
「本当さ、日本のアニメが流行っていてさ。それに出てくるキャラクターの恰好を真似しているんだ。それがもうクオリティが高くてさ。面白いのなんの――――そうだ、画像撮ったんだっけ・・・ちょっと待ってて」
エリックは携帯を操作して、撮ってあった画像を出してエミリーに携帯を渡した。
画像には女の子が水色のかつらをかぶり、戦闘服のような、体にぴったりした服を着た姿が映っていた。
その隣にも似たような姿の子がいる。
よく見ると、周りにも何かの恰好を真似た人がたくさん映っていた。
エリックはエミリーの脇に立って肩に手をまわして、顔を寄せて一緒に携帯を覗き込んだ。
近付くとふんわりと漂ういい香り。
「これは、近くの大学でイベントがあってさ、そこに行った時に撮ったんだ。他の画像も見るか?・・・ほらこれ――――」
「エリック、この子可愛いわ。何て言うアニメの・・・!?」
急にエリックの腕が身体にまわってきて、すっぽりと覆われた。
徐々に腕が強く身体に絡みついていく。
耳元でエリックの切なげな吐息が聞こえてくる。
「エミリー、俺じゃ駄目なのか?今振られたことは分かっている。だが、もう一度だけチャンスをくれ。今の好きな奴のことは忘れなくていい。そのままでいいから、俺の傍にいて欲しい」
「エリック・・・あの、わたしね―――」
エリックの手が頬に当たり、くいっと上を向かされた。
手に持っていた携帯が、ゴトンと音を立ててテーブルの上に落ちた。
エリックの唇が近付いてくる。
それを阻止しようと手を顔の前にかざした。
その手を掴まれてしまい、頬に当てられた手が強くて顔をそむけることもできない。
「や・・・エリック、やめ―――」
「失礼する―――その手を離して頂こうか」
―――え・・・・?
エミリーは自分の耳を疑った。
頬に当てられていた手が離され、掴まれていた手が自由になり、身体を覆っていたエリックの体がグイッと引き剥がされて行く。
「全く、君は・・・困ったものだ。相変わらず、無防備極まりないな」