シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
リードは眩しげにエミリーを見つめ、ぶっきらぼうに言葉を呟くと、横を向いて俯いてしまった。
「ありがとう。フランクさん、リードさんも。いつも私のことを気に掛けてくれて。感謝しているわ。これからも仲よくしてください」
感謝の想いを込めて、二人の手を握った。
「あ・・・あなたは、どうしてそう―――」
リードの顔が赤く染まり、体がビクッと震えた。
エミリーの手を振り払い、さっと後退りをして遠ざかった。
つい癖で護衛の姿を探してしまう。
周りにいないのを確認すると、ホッと胸をなでおろしていた。
「リード殿・・・もしや、私をお探しですか・・・ここにおりますが」
「なっ・・・!?」
いつの間にか背後にまわっていたシリウスにドキッとしてよろめき、フランクにぶつかってしまった。
「リード、少し落ち着きなさい―――エミリーさん、時間に遅れます。ウォルターがそこで怖い顔をしていますよ」
「ぁっ、ごめんなさい」
貴賓館の広間の扉の前で緊張するエミリー。
それ以上に、ジャックがカチコチに緊張していた。
並いる王族の前に進み出ていくのだ、緊張しないわけがない。
「エレナ様は案内に従い、中の席にお着き下さい。ジャック様、エミリー様のエスコートをお願い致します」
「あの・・・どのようにすれば宜しいですか?何せ初めてなもんですから・・・」
「大丈夫です。扉を開けたら、アラン様の元にゆっくり歩いてお連れして下さい。それだけで宜しいです。その後、席に御案内致します」
広間の中では楽士たちの音楽が奏でられ始めた。
神官の呼び声とともに、扉がゆっくりと開かれた。
真っ直ぐの奥には祭壇が設けられ、神官が微笑みを浮かべて立っていた。
エミリーがジャックと一緒に楚々と歩き出すと、アランが広間の真ん中に進み出て、手を差し出して待っていた。
「綺麗だ、エミリー。夢のようだ・・・」
ジャックは威厳あるブルーの瞳を見つめ、エミリーの手を大きな掌の上に託した。
「アラン王子、娘を宜しく頼むよ・・・」
「父君、ご心配なきよう―――幸せにすると、約束致す」
「ありがとう。フランクさん、リードさんも。いつも私のことを気に掛けてくれて。感謝しているわ。これからも仲よくしてください」
感謝の想いを込めて、二人の手を握った。
「あ・・・あなたは、どうしてそう―――」
リードの顔が赤く染まり、体がビクッと震えた。
エミリーの手を振り払い、さっと後退りをして遠ざかった。
つい癖で護衛の姿を探してしまう。
周りにいないのを確認すると、ホッと胸をなでおろしていた。
「リード殿・・・もしや、私をお探しですか・・・ここにおりますが」
「なっ・・・!?」
いつの間にか背後にまわっていたシリウスにドキッとしてよろめき、フランクにぶつかってしまった。
「リード、少し落ち着きなさい―――エミリーさん、時間に遅れます。ウォルターがそこで怖い顔をしていますよ」
「ぁっ、ごめんなさい」
貴賓館の広間の扉の前で緊張するエミリー。
それ以上に、ジャックがカチコチに緊張していた。
並いる王族の前に進み出ていくのだ、緊張しないわけがない。
「エレナ様は案内に従い、中の席にお着き下さい。ジャック様、エミリー様のエスコートをお願い致します」
「あの・・・どのようにすれば宜しいですか?何せ初めてなもんですから・・・」
「大丈夫です。扉を開けたら、アラン様の元にゆっくり歩いてお連れして下さい。それだけで宜しいです。その後、席に御案内致します」
広間の中では楽士たちの音楽が奏でられ始めた。
神官の呼び声とともに、扉がゆっくりと開かれた。
真っ直ぐの奥には祭壇が設けられ、神官が微笑みを浮かべて立っていた。
エミリーがジャックと一緒に楚々と歩き出すと、アランが広間の真ん中に進み出て、手を差し出して待っていた。
「綺麗だ、エミリー。夢のようだ・・・」
ジャックは威厳あるブルーの瞳を見つめ、エミリーの手を大きな掌の上に託した。
「アラン王子、娘を宜しく頼むよ・・・」
「父君、ご心配なきよう―――幸せにすると、約束致す」