これが私の旦那サマ!
「教えてください・・・」
「え?」
「その、弥生さんという人の事!教えて下さい!」
私のもの凄い剣幕に桔平さんはハァと息を思い切り吸い込んだ。
「じゃ、言うけど・・・弥生は10年前に死んだ晃一の奥さんや。」
「奥、さん・・・」
「ああ、晃一と弥生はちんまい頃からの幼なじみやったらしくてな。なんや中学ん時から恋人やったゆうて高校卒業してしばらくして結婚したらしいんや。」
奥さん、西島さんに、奥さんいたんだ。もう死んじゃってるけど・・・
「俺もそん頃に晃一と弥生に知り合うてな~ま、知り合うてすぐ弥生は事故で死んだんやけど・・・」
桔平さんは口を閉ざしてジッと私を見た。なんだろう?暫くしたらまた桔平さんは口を開いた。
「・・・弥生が死んでからの晃一はほんまに見てられんかったわ。目ぇも虚ろで食事もまともにとらんかったし。まさに生きた屍状態やったんよ」
「っ・・・西島さんにそん事が。」
「ま、でも暫くして急に元気取り戻してな~生きる希望に出会ったとか言うて・・・意味はよぉ分からんけどめっちゃ安心したわ。」
桔平さんはニコッと私に笑いかけた。垂れ目の桔平さんは笑顔がすごく似合う。吊られて私もへらっと笑った。
「今は嫁ちゃんが一番やろーしそんな不安がる事ないって。な?」
その言葉に少し救われた気がした。