36.0℃の熱帯金魚


「シャワー、浴びてこいよ。疲れがとれるぞ」


ケイゴは、やさしい声でそう言ってから、ノートパソコンに視線を戻した。

モニターを見つめる切れ長の目。そこにかかるサラサラの黒髪。
美しい、顔立ち。


「男性モデル」だと紹介したら、10人中10人が信じてしまいそうな、顔と身長。


恵まれた容姿のせいか、ケイゴはいつもどことなく自信に満ちたオーラを放っている。

それが、より一層、彼を格好良く見せるのだ。

いや……。

キリリと整った鼻筋に、魅惑的な瞳、艶やかな唇。

彼を形容するならば、「格好いいより」も、「美しい」だろう。



麗しい……、恋人。



ケイゴ。
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