36.0℃の熱帯金魚

***


モワモワと湧き立つ湯気。

ぼやける視界。

熱めのシャワー。

泡だてたボディーソープは、まるでホイップクリームのよう。


たっぷりとした湿気を孕むその密室で、あたしは、ヒミツを洗い流す。






時計は0時をまわり。

日付はとっくに変わっている。

金曜日の夜。



きっと、ケイゴはいまごろ、あたしのためにキッチンに立っている。
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