36.0℃の熱帯金魚
「ねえ、明日はどうする?」
自らも、ワインのペリエ割を手にしているケイゴに、あたしは訊ねた。
「うーん……」
ケイゴは、テーブルの上のノートパソコンに目をやる。
あたしは、それを見逃さない。
「忙しい、かな……、仕事」
「……ごめんな」
「ううん」
あたしの肩に、ケイゴの腕がまわされる。
「いまだけはさ、こうしてゆっくりしたい」
「最近、大忙しだもんね」
「マリとこうしてると、癒されるよ、ホント」
すぐ近くに、あたしはケイゴの体温を感じた。
顔を向けると、そこには、ケイゴの唇。