美味しいプライド

もうあたしも頭にカァッて血がのぼってさ。
何か他のこと喋れよ。ごめんですんだら警察いらねーんだよ。
って怒鳴り散らしたかったけど、あたしって、どんなに興奮しても絶対プライドとキャラは崩したくない人じゃない？グッとこらえて穏やかに言ったんだ
「あたしの何がダメだったのか、どうして和美さんに負けたのか、今後の参考に具体的に教えてくれないと引き下がれないよ。」
って
そしたら、やっと重い口を開いたんだけど、
「かなちゃんは本当に可愛いよ。始めはできすぎた話だと思ったんだ。夢じゃないかって。かなちゃんは可愛いくて優しいし、上品で清純でセクシーで、正直俺にもったいなすぎる女の子だし、しかもプレゼント１つねだらない。最初はさ、和美みたいにさ、気が強くて酒癖が悪くて癇癪もちで金が大好きな女と付き合ってきたのがなんだか物凄く人生損してきたみたいに感じた時もあった。だけどさ、かなってさ、男の夢のかたまりみたいに見えて、実は男にとって一番大事なものを、萎えさせるんだよ。」
みたいな事を言われてさ
「何を言ってるのかわけわかんないよ。確かに私もわがままだけど、人のクレジットカードを勝手に使う和美さんよりわがままだとは思わないよ。だいたい欲しいものがあったら陽君になんか頼まないで親に頼むしね。」
って答えたら、なんだか哀れむみたいな優しい目になって、ため息をついて言ったんだ