美味しいプライド
直接の原因はわかっている。
最近、私が何度か寝たことがある男、藤田陽平が、かなえにすっかりお熱なのだ。
「かなえちゃんに手なんか出せねーよ。少なくとも、俺が和美と別れるまではね。だけどさ、俺の車の助手席に乗られてあのウルウルした目で見つめられると、もうどうしてくれよう、って気持ちになるんだ。」
由美にとってそんな告白が面白いわけがない。
男は、由美が自分に対して本気じゃなかったと無邪気に確信した上でそんな告白をしてきているわけで、まぁ確かに、当時は由美にも陽平にも本命がいたうえの遊びだったわけだけど、陽平は1度だって自分のために「和美」とかいう10年来の内縁の妻と手を切ることを検討してくれたことはないだろう。
正直自分やかなえと比べたら、容姿育ち若さすべてにおいてどうということの無い女だけど、10年も一緒に過ごしてきた「和美」とやらは深く陽平の生活に食い込んでいて、それを無理やり引き剥がすような煩わしいことは彼の性にあわないように思えた。
「もう全面降伏。かなえちゃんが俺に恋してるなんて、俺にとっちゃアイドルトラップにかかったみたいなもんだよ。手も足もでねぇよ。すぐには無
理だけど俺覚悟した、本当に和美と別れる。」
そんなセリフを聞いたのが3ヶ月前。
そうでしょうとも。かなえを本命にしない男なんて見たことが無い。
誰だって自分は悪者になりたくないもんだ。
いたいけな小動物を好んでいじめるような変態にひっかからない限り、かなえは男に大事にされるって、昔から決まっているんだ。
いくら好みのタイプのいい男とはいえ、今更地元でサーフォショップを経営しているローカルな遊び人、陽平となんか付き合いたいわけじゃないけど、正直由美は面白くなかった。
だからここ2ヶ月は、かなえとも陽平とも連絡をとらず、どうせ甘い恋の近況がかかれているであろうPIXIも開かず、あいつらの事なんか忘れて新しい男たちと遊びまわっていたのに。
なんなんださっきのやたら攻撃的日記は?
由美は、なんとなく気を紛らわせるために見ていた下着の通販ページから、再びかなえのブログに飛んで、いい加減もう頭を冷やしたかな?と思ってコントロールキーを押しながらページをリロードして、目を疑った。
最近、私が何度か寝たことがある男、藤田陽平が、かなえにすっかりお熱なのだ。
「かなえちゃんに手なんか出せねーよ。少なくとも、俺が和美と別れるまではね。だけどさ、俺の車の助手席に乗られてあのウルウルした目で見つめられると、もうどうしてくれよう、って気持ちになるんだ。」
由美にとってそんな告白が面白いわけがない。
男は、由美が自分に対して本気じゃなかったと無邪気に確信した上でそんな告白をしてきているわけで、まぁ確かに、当時は由美にも陽平にも本命がいたうえの遊びだったわけだけど、陽平は1度だって自分のために「和美」とかいう10年来の内縁の妻と手を切ることを検討してくれたことはないだろう。
正直自分やかなえと比べたら、容姿育ち若さすべてにおいてどうということの無い女だけど、10年も一緒に過ごしてきた「和美」とやらは深く陽平の生活に食い込んでいて、それを無理やり引き剥がすような煩わしいことは彼の性にあわないように思えた。
「もう全面降伏。かなえちゃんが俺に恋してるなんて、俺にとっちゃアイドルトラップにかかったみたいなもんだよ。手も足もでねぇよ。すぐには無
理だけど俺覚悟した、本当に和美と別れる。」
そんなセリフを聞いたのが3ヶ月前。
そうでしょうとも。かなえを本命にしない男なんて見たことが無い。
誰だって自分は悪者になりたくないもんだ。
いたいけな小動物を好んでいじめるような変態にひっかからない限り、かなえは男に大事にされるって、昔から決まっているんだ。
いくら好みのタイプのいい男とはいえ、今更地元でサーフォショップを経営しているローカルな遊び人、陽平となんか付き合いたいわけじゃないけど、正直由美は面白くなかった。
だからここ2ヶ月は、かなえとも陽平とも連絡をとらず、どうせ甘い恋の近況がかかれているであろうPIXIも開かず、あいつらの事なんか忘れて新しい男たちと遊びまわっていたのに。
なんなんださっきのやたら攻撃的日記は?
由美は、なんとなく気を紛らわせるために見ていた下着の通販ページから、再びかなえのブログに飛んで、いい加減もう頭を冷やしたかな?と思ってコントロールキーを押しながらページをリロードして、目を疑った。