俺のまわりバカばっか。

鈴木が歌い

俺は聴く。


ちょくちょく

隣のボックスが気になったが

男の歌声が聴こえてくるので

大丈夫だろう。


「どうする?

この野太い声が

有栖だったら」


鈴木が歌い終わり

言った。


「いつもの有栖の声って

地声なのか?」


「さぁ?

男でも女っぽい声を

するやついるし」


すると男性の歌声が

ぱたりと止んだ。


まさか…っ

ガタッ

「待て。

10秒待て」

< 214 / 323 >

この作品をシェア

pagetop