俺様王子にご注意を
□事実と噓
和也Side
「なあ、大宮ってさー。玲奈のこと
どう思ってんの?」
玲奈って...呼び捨て!?
「あ?お前には関係ねえだろ。」
部活中西本が俺に近づいてきて
何だと思ったらこんなばかげたことを
聞いて来た。
「関係ねえかー...したらよかったー。
俺さ、この間玲奈に告ったから。」
「.....はああ!?」
西本は俺が弓を持って的に狙って
集中したいのをお構いなしに
まだこう続けた。
「悪いけど...彼氏もちとか俺には
関係ねえからさ。スキだって伝えた。」
「あ、そ。」
弓が震える。
「いいのかよ?」
「別に...俺と玲奈のことはお前には
関係ねえじゃん。お前と玲奈のことだって...
俺には...関係...ねえ...し。」
─バンッ
震える手で矢を打ったけど
当然的から外れた。
「っち.....。」
俺は当たらなくて舌打ちをした。
「動揺してんじゃんかよ。」
「あ!?」
俺は西本をにらみつけた。
「かっこわりいじゃん。お前。」
「何がだよ!?」
「俺ならもっと大事にする。玲奈のこと。
中学の時もきっと大事にしてたって
自信がある─。」
そんな自信...どこから
でてくるんだよ。