俺様王子にご注意を
─トントン
部屋の中で音楽を聴いていると
ドアから小さな声が聞こえた。
「和也...聞いてほしいことがあるの。
入ってもいい?」
俺は聞こえないフリをした。
「あけるよ?怒んないでね?
和也が返事しないんだから。」
─ガチャッ
また玲奈は勝手に俺の部屋に入ってきた。
「...何?」
俺は冷たく睨んだ。
「そんな態度...しないでよ。」
「お前が悪いんだよ。バカ女だし。
騙されている事くらい気づけ。
バカ」
「ばかばかうるさい!それに龍也は...
わたしのことは騙してないよ。」
「それが騙されているんだよっ!」
「違うもんっ!何で何にも聞いて
くれないの?だから和也は
分からず屋なんだよっ!」
分からず屋...?
前にも玲奈に言われた。
って...
「玲...奈?」
玲奈の目から涙が今にも
溢れてきそうだった。
「ばかなのは...和也でしょ?
私の話も聞かないし...和也にとって
私ってどうでもいい存在なの?」
どうでもいい...存在?
「違うっ!それだけは絶対違えよ!」
玲奈は目をこする。
でも涙がこするたび溢れている。
「...私だけ...本気...だったの...かな?」
は...?