俺様王子にご注意を

けど....

「和也、おばさんについて
いきなよ。」

和也の顔が一気に真っ青になった。
こんな言い方したかったわけじゃない。

「誰...から聞いたんだよ。」

和也の声が震えている。

「じゃあ、何でそんな大事なこと
教えてくれなかったの?」

それが一番...情けない。

「何でって...そのうち話すつもり
だったんだけど。」

「私にすぐに言わないで他の
誰かに...話したりした?」

視界がぼやけてくるよ。
私ってこういうとき気が弱いから。

「...誠と...笹野。」

恵美に...?

「私より...恵美に先に?]

何でよ...。

「玲...奈。あの「私ってそんなに
頼りない存在なのかな?」

本当はこんなこといいたいんじゃ
ないんだよ。

「和也にとって私っていらない存在
なんじゃないのかな?」

上手くいえない。

「ほんとは邪魔じゃない?」

自分で言ってて悲しい。

「はー...?」

和也は呆れたようだった。

「ねえ、ちゃんと答えてよ。」

私は子供みたいに何度もそのことを
続けて言う。

「玲奈は...誰から聞いたんだよ。
笹野か?」

「...お母さん。そんなのいいじゃんっ!
ねえ、どうして誰よりも...
最初に...一番最初に言ってくれなかったの?
和也は私が頼りないから?」
< 269 / 331 >

この作品をシェア

pagetop