俺様王子にご注意を
「...んなわけないだろっ。
笹野は「聞きたくないよっ!
そんな事じゃなくて...。」
和也の口から私以外の女の子の
名前が出るのは苦しいんだよ。
それだけならまだしも先に
相談していたなんて...
「玲奈っ。ちゃんと聞けよ。」
「和也、最低だよっ。」
「違うんだっ!」
和也に腕をつかまれた。
「違うんだ...。何度も玲奈に
言おうとした。」
「でもいまこうしているんだから
言わなかったじゃんっ!」
私の興奮はおさまらない。
「確かにそうだよな。最低だな。
でも...俺はこれだけは言える。
いつもお前の幸せを一番に
考えていたいって.....。」
そんな事...
「誰よりも幸せにしたいって。」
ずるいよ...。
「ばかーっ。」
私は和也にそのまま抱きついた。
「離れないでよー。どこにも
行かないでよー。」
和也の腕のなかで私は
ずっと泣き続けた。
そしてあんな馬鹿な事を何度も
繰り返して和也の優しい暖かい
体温を感じていた。