シスコン王子とブラコン姫
「そうするしかないだろっっ!?」
おにいは唇をかんで悔しそうにわたしを見ていた。私だけが辛くて悲しいわけじゃないのはわかっている。でも、私は、まだ子供っぽいとこがあるんだよ...。すぐ人を頼ってしまう。おにいだってつらいのに...。
「ごめんなさい...ウッ...ごめ...。」
その時おにいはわたしの手を強く握った。
「おに...い??」
「ほらっ、沙菜ってすぐ手握ったりすると泣きやむんだからさー。昔っからだよ。」
「おに...いいい...。うわーん...。」
「ほらほら、泣くなっ。中学の時の約束忘れたのか?」
「やく...そく??」
~私たちの兄妹の約束~...
「お母さん...ウッ...どうして??...ウッ...どーして...?ウウウッ」
お葬式の日私は、ずっと泣いた。
お父さんは、いろいろ忙しくて親戚の方などばかりいかなければならなくて私たちとは中々いれなかった。おにいだけが私のそばにずっといてくれた。
「おに...ぃ。ウゥ...なんで...??お母さん...いやっ...いやだっっ!」
「...。」おにいはただずっと下を向いて黙っていた。
クラスメイトや保護者、学校の先生などがたまに私たちに挨拶をしてきたり声をかけてくれたけど私は、それに答えることさえできなかった。
そして家に帰ってきて私はずっとお母さんのお仏壇の前で毎日時間が止まったように過ごしていた。
その時おにいがわたしの隣にいきなり座っていった一言...。
「俺達家族なんだから─...ずっと一緒にいよう。」
そういわれたとき私は涙が止まらなかった。
“ずっと一緒にいよう”あの約束を今でも忘れない...。
ずっとずっと...一緒にいたい─...。
それから何年もたって私たちはゆっくり時間をかけて立ち直ってきた。
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