シスコン王子とブラコン姫
「沙菜...。」
「おにい...私、約束忘れてないよ??」
「ふっ、ばかだな。沙菜が忘れられるわけないだろっ!」
そう言っておにいは私のおでこにデコピンをした。
「いったーいっ!もうっ。」
おにいはにっこり微笑みわたしの手をとってゆっくり歩いた。
お母さん─...。私たちは、幸せに暮らしてます。
──────
「おにいっ!遅刻しちゃうっ!」
「沙菜っ!?お前学校行くつもりなのかっ!?」
「そりゃーね。悟にもお礼言いたいし...。」
なんだか急に恥ずかしくなった。
「ふっ、しかたがねーな。行くか!」
「うん。」
ほんとは、ただ気持ちを紛らわしたかっただけなのもある。
でもやっぱり─...嘘の彼氏でも悟に会いたかった。
私を思ってくれている友達に会いたかった。
家にいたらおにいだって色々思い出してしまうだろうから...だから今日は、学校にいく─...
ピンポーン...
「はーいっ!」
いつも通りこの時間にインターホンがなった。