シスコン王子とブラコン姫

「いってー!」
その瞬間わたしの肩にあった手はスッと落ちた。

「沙菜!逃げるぞっ!」

「え...?」

悟は、私の手をとって走りだした。

「さっ悟!?ちょっ...。」

必死に走ってなんとか教室までついた。

「ハァ...ハァ...沙菜!ケガしてねえか?!」

「ばっばかあっ!」

「.....は?!」
悟は驚いた表情で私を見ている。

「あっあんな怖い先輩敵にしちゃって大丈夫なのっ!?あっ危ないよ...これからどうするのよっっ!?」

助けてもらったのにこんなこと言っちゃって...私は、本当に最低だ...。

「なに言ってんだよっ!?沙菜のほうがあの状況でやばかっただろーがっ!」

「でっでも...。「女はそういうこと心配してねーでちゃんと逃げる時は逃げろっ!あと.....少しは、俺のことも頼れよな。」

「っっ...///」

どうしてそんなに優しくしてくれるのかがわからない。だってこれはただのお試し恋愛っていう遊びだよっ?!なんで─...??どうしてここまでつきあってくれるの?!このままだと私─...自分の気持ち抑えきれなくなっちゃう...。
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