シスコン王子とブラコン姫
でも...今の言葉...どうか嘘ではありませんように─...。
『沙菜ーっ!おはよっ!』
教室に入ってクラスメイトと交わす言葉。
でも私の頭の中は悟でいっぱいで─...。周りのことなんて全く考えることすらできなかった。
「川崎さん─...。」
「おはよ...。」
「まっ待って!」
「...ふぇ!?」
目の前にいるのは...
「山岸くんっ!?どーしたの??」
今までしていたメガネはなく髪も茶色くそめていて...ネクタイまでゆるくて...今日朝会った男みたいになっていた...。
「ははっ、川崎さんの目に少しでもとまりたいなーって思ってちょっとちゃらくしてみたんだけど...どうかな?似合ってる?変かな...?」
「えっえーと.....似合ってないことはないんだけどー...なんていうか...私は.....前の方が好き...だったかな??はっはは...。」
思わず苦笑いをしてしまった。
それに急にそんなこと言われても少し怖いし.....
「そっそうだよね...。はっはは...。ごめん...。」
山岸くんは下を向いたまま席に座ってため息をついていた。
教室に入ってくる人1人1人が山岸くんを見てびっくりしている。
イメチェンか─.....。