シスコン王子とブラコン姫

『はいはーい、席につけええ!』

ドアが勢いよく開いて担任が入ってきた.....。

あれ??次って数学じゃなかったっけ...??

「視力のこととかが色々あり急遽席替えをすることにしたー。はいはい、はやくクジひいてさっさとしろー。」

え.....??

席替え.....?? そしたら私たち...離れちゃうの??

せっかく悟と隣の席だったのに─...。


「えー...やだああ!裕也と隣じゃないのなんていやっ!」

綾乃は先生に文句を言っている。

「仕方がないだろっ!さっさとほら!座れっ!」

みんなは笑っているけど私はそれどころではない...。

席替えなんていや...。

なんで─

「沙菜...。今までありがとな。」

「っっ.....。」

なんでそんな風に言うの?

やっぱりお試し恋愛が悟はいやだったんだ...。

だから少しでも私と離れたくて...。

今日が早く終わってほしいんだ─...。

やっぱり浮かれていたのは私だけだったみたい。
< 109 / 283 >

この作品をシェア

pagetop