シスコン王子とブラコン姫

──────

「悟っっ!頑張ってね。応援してるからっ。」

「うっせーな。わかったから姉ちゃんはさっさと裕也と帰れよ。」

「言われなくてもそーしますーだっ!じゃーね。」

そう言って姉ちゃんは裕也のとこまで
走って行き帰っていった。

ここからが本番?...だ。

お試し恋愛の学校の日はもう終わり。
つまり土日があっても俺達は会うことが
なくなってしまう.....。
だから姉ちゃんからもらった...このチケットを沙菜に渡して...告白...する。

俺は決めたんだから─.....。

「沙菜...。帰るか。」

「うん。」

なんだか沙菜はさっきとは別人で
元気が全くなくて..全然笑っていなかった。

「お試し恋愛...今日でおしまい...だね。」
沙菜は苦笑いをしながら言った。

なんで無理矢理笑顔つくるんだよ─...。

それともそんなにお試し恋愛が
いやだったのかよ...?

なんなんだよ.....

わからない。コレが女心??
なんなんだよ.....。

「悟...?聞いてた?」

「あっ...ああ。でもまだ明日も明後日もあるじゃん?」

「...そうだね。明日も明後日も...。」

「沙...菜?」

「「あ...。」」

気づいたらもう沙菜の家の前まで来ていた。

「今日までどうもお世話になりました。これからも
よろしくね。お試し恋愛お疲れ様。それじゃーね。」

「んだよ...。」

「え.....?」

沙菜はドアノブに手をかけてとまった。
なんだか時間がとまったようなカンジだ。
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