シスコン王子とブラコン姫

「沙菜は...。」

そう言いかけて俺は黙った。
俺はなんと言おうとしたんだろう...。

沙菜はお試し恋愛いやだったのか?
そんなこと言ったらかっこ悪い。
じゃあなんて─...

「楽しかったよ─。」

「...え?」

沙菜は涙をこらえているようだった。
なんでそんな顔するんだよ.....。

そんな顔されたら帰りたくなくなる。
そんな顔されたら...離したくなくなる。

「沙菜...俺っ...お礼がしたいっ!」

「...へ?!」

俺...何言っているんだ...??

「そっそんなのいっいいよ...ここまでおくってもらったんだし私がお礼するべきでしょ?そんないつも悟にばっかお世話になってたらだめだよ。」

「沙菜...明日空いてるか?」

「え.....。」

「これ...姉ちゃんからもらったチケットなんだけど...もし暇だったら...お礼したいし.....一緒にいかねー?」

そう言って沙菜にチケットを渡した。
手がすごく震えている.....。
だっさ。

はやく─...はやくチケット受け取ってくれよ.....。
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