シスコン王子とブラコン姫
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今日は土曜日。だけど私は制服を着ている。
「お母さん、もうすぐしたらいくから
待っててね─.....。」
今日はお母さんの命日。
この日はきっと...絶対これから一生私は忘れない日になるだろう.....。
「沙菜ー。いくぞーっ。」
「はっはーい。」
最後にお仏壇の方を振り返って
私は、お父さんとおにいと一緒に
お母さんが眠っているお墓までいく。
少し遠くて道も悪くて車が
結構揺れる。
「沙菜。大丈夫か?顔色悪いけど酔ったか?」
「大丈夫。」
小さい頃から私はすぐ酔っていた。
お母さんは私が酔っているのが
すぐに分かっていつも背中を
さすってくれて─.....。
「沙菜。花買いにいくから沙菜が選べ。」
お父さんはサイフを出しながら言った。
「え...うん。」
私は菊とカーネーションが入った色とりどりの花を選んだ。
そしてまた車が出発した。
天気もいいしなんだか眠くなってきた。
「沙菜─.....。あのさ.....悟に...誘われなかったか?」
「え!?おにいはなんで知ってるの.....?」
家の中にまで聞こえてたの...?