シスコン王子とブラコン姫

｢綾乃から...聞いた｡｣

｢そう.....｡｣

｢ほんとは行きたかったか??」

｢ううん｡だって今日は大切な日でしょ｡」

｢...そうだけど､母さんだって沙菜が我慢してきてるって知ったら.....母さんが1番悲しむんじゃねーのか?」

｢.....私が好きでそうしたことなんだからいいと思う｡｣

｢俺はよくねーと思う｡｣

｢もうここまで来ちゃったんだし仕方がないことでしょっ!」

｢.....沙菜｡｣

｢ごっごめんなさい.....｡｣

｢沙菜.....最近変だ｡｣

｢.....｡｣

それは自分で1番分かっている。
でもここまできたんだし─.....。
悟だって私と行きたかったわけじゃない。
ほんとはお試し恋愛だって最初から悟は
嫌だったんだろうし─.....。
それにきっと私は悟に嫌われた。
あんな最低な事したんだから。

｢着いたぞ｡｣

着いたんだ｡お墓に.....。

｢父さんは荷物とか持ってくるから裕也は
手伝ってくれ｡沙菜は先に行っといてくれ｡｣

｢うん─.....｡｣

【川崎家】と書いた大きなお墓がある。
ここにお母さんは眠っている。