シスコン王子とブラコン姫

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｢...落ち着いた?」

｢うん､ありがと｡｣

悟は私が泣きやむまでずっと隣に
いてくれた。
どれだけ心強かったか─...。
絶対忘れないよ?

｢...おくってくよ｡｣

｢え??わっ悪いよ.....｡｣

｢いいよ｡もう暗いしあぶねーだろ?」

｢.....ごめん｡｣

｢謝るなって｡そういう時はありがとう｡じゃねーの?」

｢...ありがと｡｣

帰りたくなんかない...。
このままもっと一緒にいたい.....。
でもそんな事言ったら悟...
どうするだろう?
どうせ今日でお試し恋愛終わりなんだから─...
最後なんだから─...

｢帰りたく...なぃょ｡｣

｢.....へっ!?」

ほら､やっぱり迷惑だよね｡こんなに
驚いているんだもん.....。

｢ははっ､悟びっくりしすぎ｡｣

｢は...はははっ｡冗談...だよな｡｣

｢冗談にきまってるでしょ?信じちゃった?」

｢.....別に｡｣

｢ははっ.....｡｣

私.....最低なこと...した。
もっと悟に嫌われちゃったのかも.....。
どんどん悟が私から離れていく気がした。

それから...ずっと黙ったままだった。

.....

｢悟｡今日はありがと｡｣

もう家に着いちゃった─.....。

｢ああ｡.....なあ...沙菜...｡｣

｢ん?」

これ以上...言う事なんてあるのかな?