シスコン王子とブラコン姫

─キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン...

昼休み.....。
この間までだったら姉ちゃんと裕也と...
沙菜と俺の4人で弁当を食べていた。
でも...今日は違うだろう。

これからは俺だけずっと1人なんだから。

いつもだったら姉ちゃんが
振り返って俺と沙菜の席にくる。
けど.....もう席替えをして...
沙菜もすごく遠くの世界にいるような
気がする─.....。

「悟.....。」

「裕.....也。」

裕也の手には弁当が2つあった。

「どうせ弁当ねーだろ?ちょっと来いよ。今日は綾乃一緒に食べてくれねーんだよな。」

「あっそ。」

「ちょっといくぞ。」

「.....。」

俺は黙ったまま席を立ち
裕也の後についていった。

「よし、誰も聞こえねえ...な?」

「何なんだよ。」

「...これ、お前に。」

そう言って裕也は俺に弁当を差し出す。

「これ─.....。」

いつも沙菜からもらう弁当箱。

「沙菜がさー...作っちゃったみたい。朝階段に置いてあるんだぜ?後少しで踏むとこだったっつーの。」

「...いらねえよ。」

「.....お前なあ、食うだけ食えよ。」

「...いらねえ。裕也の弁当よこせ。」

「ばかやろうっ。これは綾乃特性の弁当なんだぞっっ!お前になんか食わせねーよっ!」

「じゃあ...いらねえよ。」
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