シスコン王子とブラコン姫

──────

「「.....。」」

ずっと黙ったまま。
沈黙......。
たしかお試し恋愛の時もこうだった。
ずっと黙ったままだった。
でも落ち着く.....。
でも悟は今日から私だけの男?
それだけで嬉しい。
でも...私は悟のどこをスキになった?
最初は一目ぼれだったんだ...。
それから2人でファミレスにいって
男の事喋るのがニガテな私なのに
すごく楽しくて喋れたのを覚えている。
それで...ちゃんとすきになったんだろうな。

ちょっと距離を置いて歩いている私達。
悟の後姿。
なんだかにやけてしまいそう。
悟ってこんなに背高かった?
久しぶりに一緒に並んで歩く
この道。
こんなに幸せなことだったなんて
思いもしなかったよ。

「沙菜.....。」

「なっ何!?」

急によばれて少しびっくりした。

「俺って...男じゃねえの?」

「えっっ!?」

悟は振り向いたまま止まっている。
時間まで止まっているみたい.....。

「なあ.....。」

「ぷっ.....。」
やばい。また吹き出しちゃった。

「なっ...何なんだよ!」

怒らせちゃったかな?

「ちっ違うの。気にしてたのかなーって思ってさ...なんか可愛くて。」

「かっ可愛い!?」

「うん。」

「...男は可愛いとかだと嬉しくねえんだよ。」
< 141 / 283 >

この作品をシェア

pagetop