シスコン王子とブラコン姫
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「「.....。」」
ずっと黙ったまま。
沈黙......。
たしかお試し恋愛の時もこうだった。
ずっと黙ったままだった。
でも落ち着く.....。
でも悟は今日から私だけの男?
それだけで嬉しい。
でも...私は悟のどこをスキになった?
最初は一目ぼれだったんだ...。
それから2人でファミレスにいって
男の事喋るのがニガテな私なのに
すごく楽しくて喋れたのを覚えている。
それで...ちゃんとすきになったんだろうな。
ちょっと距離を置いて歩いている私達。
悟の後姿。
なんだかにやけてしまいそう。
悟ってこんなに背高かった?
久しぶりに一緒に並んで歩く
この道。
こんなに幸せなことだったなんて
思いもしなかったよ。
「沙菜.....。」
「なっ何!?」
急によばれて少しびっくりした。
「俺って...男じゃねえの?」
「えっっ!?」
悟は振り向いたまま止まっている。
時間まで止まっているみたい.....。
「なあ.....。」
「ぷっ.....。」
やばい。また吹き出しちゃった。
「なっ...何なんだよ!」
怒らせちゃったかな?
「ちっ違うの。気にしてたのかなーって思ってさ...なんか可愛くて。」
「かっ可愛い!?」
「うん。」
「...男は可愛いとかだと嬉しくねえんだよ。」