シスコン王子とブラコン姫
「沙ー菜っ。いこうよっ♪海日!」
綾乃はもうはしゃいでいる。
海は嫌いじゃない。
けど─.....。
「私は.....いいや。」
「「「ええっ!?」」」
なんとなく行きたくない。
ううん、行きたくない。
小さい頃は家族4人でよく行っていた海。
見たら悟たちの前で泣いちゃうと
思うから心配かけたくない。
お母さんが死んでしまったとき...
よく1人でTVで海が映っているのを
見ただけで泣いてしまっていた。
だからなんとなく海が嫌い。
「沙菜...なんでー...?!」
綾乃は私の肩を揺さぶってくる。
「ごっごめんね、3人で行って来てよ。」
「だーめっ!それじゃ意味ないのっ!」
「.....?」
「実はうちのじじばばの近く海
あるんだよねー。夏休みはもう毎年
行っているの。でね、悟に彼女できたら
死ぬ前に会いたいっていってて.....。
悟だけ行ったらじーちゃんもばーちゃんも
安心して死ぬ事できないじゃんっ!
おねがいだよー。海は入らなくてもいいから。」
「う...ん。」
「よしっ、決定♪」
「えっ!?は!?決定?」
だって私行くっていうつもりで
言ったわけじゃなくて.....。
「よし、勉強タイムは終わりっ。
私と沙菜いまから出かけてくるから
裕也たちは部屋の片付けよろしくねー。」
「「はああ!?」」
綾乃どういうつもり.....?
「さっ、沙菜いっくよー。」
「へっ!?もっもう何なのー?」