シスコン王子とブラコン姫
悟Side
「はー...何で俺らがこんな目に.....。」
「文句言ったって仕方がねえだろ。
ちゃんと片付けろよ。」
「わかってるっつーの。ん?これ沙菜の
中学ん時の卒業アルバム?」
気になって俺はアルバムを指で指して
裕也に聞いた。
「あー、そうだったな。俺あんなもん
どっか行ったけど沙菜はずーっと大事に
してたからなー.....。」
「ふーん.....。」
「見る?沙菜には内緒だけど。」
「あっああ///」
裕也はアルバムを取って
沙菜のクラス3-1を開いた。
「これ、沙菜。」
【川崎 沙菜】と書かれていて
にっこり笑ったポニーテールの沙菜がいる。
今とほとんど何にも変わっていないようで
変わっているカンジ。
裕也がページをめくっていって
俺は沙菜を探して見つけたらじっと
それをみるの繰り返し。
「沙菜...今と笑い方違うだろ。」
「...確かに。」
この時はほんとに楽しい。ってカンジで
笑っている。修学旅行の写真では
友達に囲まれて幸せそう。
「けどよ、卒業式の写真の沙菜なんて
全く笑ってないんだよな。」
「...ほんとだ。」
寂しそうな顔で今のような作り笑い。
笑っているようで笑っていない。
そりゃ、母親が亡くなったらしょっくだろう。