シスコン王子とブラコン姫
「沙菜...座ろっか。」
姉ちゃんも裕也も急に元気がなくなった。
「ごめんね...沙菜。私が1人にしちゃったから.....あんな目にあっちゃったんだよ...。」
「あっ綾乃のせいなんかじゃない!私がぼーっとしてるから悪いんだよ。」
「でもっ.....「いいから、ね?」
「うん.....。」
そんな会話を俺と裕也は黙って
聞いてる事しか出来なかった。
それからしばらく沈黙だった。
そんな沈黙を破ったのは裕也だった。
「...ちょっと俺、あいつら探してくるから」
「したら、俺も行くな。」
そう行って俺達は立ち上がると
「待って!ほんといいからやめて。」
沙菜も急に立ち上がって俺達を止める。
「沙菜にあんな目にあわせて黙っていられるかっつーの!」
俺も夢中で沙菜に怒鳴ってしまった。
「あんな目ってただのナンパだよ!?悟は、過保護すぎるんだよ。ほんといいからやめて。私...喧嘩とか嫌いだから。」
「...すまん。」
そう言って俺は力が抜けたかのように
その場に座り込んだ。
「ありがと。」
また沙菜のいつもの笑顔。
どうしてそんな作り笑いするんだよ。
もっとちゃんと心のそこから
笑ってほしいのに.....。