シスコン王子とブラコン姫
「ねえ、さと『悟ちゃんっ!?』
沙菜が俺に何か言おうとしたとき後ろから
どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。
「うららちゃんっ!?」
俺より先に姉ちゃんが気づいた子。
それは─.....
「うっうらら!?」
「悟ちゃん。久しぶりっ。」
そう言って俺に抱き付いてきた女の子。
露出しすぎの水着を着て香水の
匂いで鼻が少しいたくなるくらい。
若野うらら。若野財閥の令嬢。
俺の幼馴染。2歳の頃から友達だった?
でもうららは俺が小学校4年生で
うららが小学校5年生の時にアメリカに
留学した。だからそれっきり会っていなかった。
なのに─.....どうして今、日本に?
「久しぶりに帰ってきたんだ。今は夏休みで。」
「そっそうか.....。」
「なあ、悟。コイツ誰だよ。」
裕也が俺を睨みながら聞いてきた。
「あ─...コイツは...「悟の幼馴染です。若野うららっていいます。急にごめんなさい。こんな格好で...。」
やっぱり愛想は、昔っから良い。
だからすぐに年上から気に入られる。
「こっこんにちは///」
裕也は姉ちゃんがいるくせに顔赤く
なりやがって.....。
「きゃー。悟!この可愛い女の子誰?悟の彼女ー??」
「へっ、へっ、へえ!?///」
沙菜はもう完全にパニック状態。
「ああ...彼女だけど。」
なんかこういう改まった感じはニガテ。
「...へぇ。可愛いね。はじめまして。沙菜ちゃん。」
そう言ってうららは沙菜に手を差し出す。
「はっはじめまして.....。」
沙菜は俺が見ただけで緊張しているのが分かる。