シスコン王子とブラコン姫
「あら、悟ちゃんに綾乃ちゃん。」
「ばあちゃんっ!?」
ばあちゃんはまた若作りをして
リビングからでてきた。
「「はっはじめまして。」」
裕也と沙菜もさすが双子ってカンジで
息がぴったりで礼儀も正しい。
「こんにちはー。あら、うららちゃんっ!?」
「こんにちは。おばあさま。」
「あらあら、立派になったことー。
おばあさまですってー。うふふ。」
ばあちゃんは俺の肩を叩きながら
小さく笑った。
「んー?なんだ騒がしいな。っとおっと。
べっぴんさんがいるじゃないかーっ。
お前が悟の彼女か?」
「じいちゃんっ!?」
リビングからランニングシャツに股引を
はいて尻をボリボリかきながら
でてきたじいちゃん。
昔っからいつもこう。オシャレなばあちゃんと
だらしないじいちゃん。なんで上手く
いっているのかが未だに不思議。
でも...じいちゃんの指の方向は
うららだった。
「違う違う。おじいさまったら。私ですよ。
う・ら・らっ!」
「えええっ!?うららちゃんと悟が
付き合っているっていうのか!?」
「だから違えよ。こっち。」
そう言って俺は隠れている沙菜の腕を
引っ張る。
「ほおおー。これまた可愛い子だな。
名前何て言う?わし一平。でへへ。」
「川崎沙菜です...はじめまして。」
じいちゃんから出された手を
沙菜もおそるおそる握る。
じいちゃんが早速目をつけたんだろう。
ちょっとやっかいだな。
「まあまあ、遠慮せずにあがって。
はいはい。悟、麦茶でも入れて。」
「わかってるよ。」