シスコン王子とブラコン姫
沙菜Side
大きな家だな。
「はい。」
「ありがと。」
悟から麦茶を受け取った。
冷たくてひんやりする。
美味しいなあ。
「あー、これ悟の写真じゃんっ!」
おにいが笑いながら写真たてを
手に取った。
「ばかっ!やめろっ///」
悟は真っ赤になりながらおにいから
取り返そうとする。
「へいっ。沙菜パースッ!」
おにいから回ってきた写真を
受け取ってみてみると...
「これ─.....。」
真ん中に悟。今と全然変わってない。
その隣は綾乃。綾乃も全然変わってない。
そして...悟の手を握っている女の子。
きっと...うららさんなんだ。
可愛い。
見てすぐに思う。
「あんま見んなよっ!」
写真を眺めているとすぐに悟に
奪われてしまった。
「ごっごめん。」
悟が私から取らなかったらきっとわたしは
あの写真をずっと眺めてしまっていたのかも
しれない。これって...ヤキモチ?
「悟もその頃はかわいーのにね。」
「え?」
隣を見ると麦茶を片手に持ったうららちゃんが
笑っている。
「よくここに遊びに来てたの。たしかそれ5歳の
時の写真だったかなー。」
「そっそうなんですか...。」
私の知らない悟の子供時代をうららさんは
知っている。