シスコン王子とブラコン姫

うららちゃんとお話するのは
凄く楽しくてお姉ちゃんが出来た様な
気分だった。

───────

「よし、バーベキューだぞー!」

庭の方からちょっとガラガラの低い声が
聞こえた。
見てみると悟のおじいちゃんがいた。

「おいしそーっ。」

もう何年もバーベキューなんてしてなかった。
最後にしたのは...家族4人で海に
来た時だったかな。

「どんどん食べろよー。」

悟のおじいちゃんは私のお皿に
お肉や野菜を沢山置いてくれる。

「じいちゃん、エロい目で沙菜見るなよ。」
悟は自分のおじいちゃんを睨みながら
私のことを引っ張って悟のおじいちゃんと
距離を作った。

「悟もそんなーに束縛してたら沙菜ちゃんに
嫌われるぞー。「うるせえっ。」
悟はまたおじいちゃんを睨む。

でも...こういうのも楽しいな。

綾乃もおにいも楽しそうに笑っている。
そして...うららちゃんの方も見てみた。
けど...うららちゃんは笑っていない。
凄く辛そうな切なそうな顔で悟を
見ていた。それをみて私は気づいた。

うららちゃんは...悟の事が
好きなんだ.....。

きっと...ずっと─...ずーっと悟の事で
私のように頭がいっぱいだったんだよね?

私はすぐ視線を悟たちに戻して
何も見なかったように自分だけ
楽しんでいた。


最低なことをしたんだ。
< 160 / 283 >

この作品をシェア

pagetop