シスコン王子とブラコン姫
うららちゃんとお話するのは
凄く楽しくてお姉ちゃんが出来た様な
気分だった。
───────
「よし、バーベキューだぞー!」
庭の方からちょっとガラガラの低い声が
聞こえた。
見てみると悟のおじいちゃんがいた。
「おいしそーっ。」
もう何年もバーベキューなんてしてなかった。
最後にしたのは...家族4人で海に
来た時だったかな。
「どんどん食べろよー。」
悟のおじいちゃんは私のお皿に
お肉や野菜を沢山置いてくれる。
「じいちゃん、エロい目で沙菜見るなよ。」
悟は自分のおじいちゃんを睨みながら
私のことを引っ張って悟のおじいちゃんと
距離を作った。
「悟もそんなーに束縛してたら沙菜ちゃんに
嫌われるぞー。「うるせえっ。」
悟はまたおじいちゃんを睨む。
でも...こういうのも楽しいな。
綾乃もおにいも楽しそうに笑っている。
そして...うららちゃんの方も見てみた。
けど...うららちゃんは笑っていない。
凄く辛そうな切なそうな顔で悟を
見ていた。それをみて私は気づいた。
うららちゃんは...悟の事が
好きなんだ.....。
きっと...ずっと─...ずーっと悟の事で
私のように頭がいっぱいだったんだよね?
私はすぐ視線を悟たちに戻して
何も見なかったように自分だけ
楽しんでいた。
最低なことをしたんだ。